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【ドイツ映画『カリガリ博士』】初期ホラー映画に見る「精神の○○世界」
ドイツ映画・芸術はじめに 本記事ではロベルト・ヴィーネ監督の映画『カリガリ博士』(1920)の見どころや演出、また批評家たちがどのようコメントしているかを簡単に紹介していく。以下が目次である。 【①作品情報】 一応、ホラー映画です 『カリガリ博士』は、ドイツ表現主義映画の最高傑作といわれている。ドイツ表現主義とは、20世紀初頭における文学・絵画・音楽などの領域を横断した芸術運動のことである。 『カリガリ博士』は、日本でもアマゾン・プライムやU-NEXTで視聴可能だ。以下はその作品情報である。 (監督)ロベルト・ヴィーネ (製作国)ドイツ(ジャンル)サスペンス・ホラー(長さ)67分 (主演)コンラート・ファイト、ヴェルナー・クラウス (上映形式)白黒のサイレ... -
グスタフ・ルネ・ホッケ『絶望と確信』:第1章「不安と絶望」を読む【危機の時代を生き残る読書】①
ドイツ文学はじめに―「絶望」の蔓延 本記事は、グスタフ・ルネ・ホッケ(種村季弘訳)『絶望と確信―20世紀末の芸術と文学のために―』について紹介する。 今日のコロナ禍や格差社会などで「絶望」ほど日常に染み付いた言葉はないだろう。まるで希望を語ることが虚しくなるくらい、成長経済を背景とした業績重視型社会は、1人の人間を、否応なく「数値化・学歴(ないしは経歴や国籍や性別や肌の色)」によりイメージ化・レッテル化しようとする。 一人の人間は、この世に生まれた時から既に「親の数値化・学歴」によりイメージ化され、22歳を過ぎた社会人の頃には、今度は自分の経歴における「数値化・学歴」によりイメージ化されてしまう。 本ブログは「不平等社会」については語らない。こ...
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