2022年2月– date –
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グスタフ・ルネ・ホッケ『絶望と確信』:第1章「不安と絶望」を読む【危機の時代を生き残る読書】①
ドイツ文学
はじめに―「絶望」の蔓延 本記事は、グスタフ・ルネ・ホッケ(種村季弘訳)『絶望と確信―20世紀末の芸術と文学のために―』について紹介する。 今日のコロナ禍や格差社会などで「絶望」ほど日常に染み付いた言葉はないだろう。まるで希望を語ることが虚しくなるくらい、成長経済を背景とした業績重視型社会は、1人の人間を、否応なく「数値化・学歴(ないしは経歴や国籍や性別や肌の色)」によりイメージ化・レッテル化しようとする。 一人の人間は、この世に生まれた時から既に「親の数値化・学歴」によりイメージ化され、22歳を過ぎた社会人の頃には、今度は自分の経歴における「数値化・学歴」によりイメージ化されてしまう。 本ブログは「不平等社会」については語らない。こ... -
「比較文化学」をゼロから学ぶためのおすすめ文献2選【入門編】
日独比較文化
はじめに 本記事では、比較文化学の超初級者のための文献紹介していく。毎年、私に寄せられる学生の相談に「大学などで比較文化を学びたいけど、どの本から手に取って良いか分からない」というのがある。しかし、比較文化の出発点は、実に素朴でシンプルなのだ。 この記事は、私自身のゼミで学生から相談を受けた経験や、自分の読書体験を軸に語っているため、「比較文化文献の総覧」を目指してはいない。文献総覧を知りたい方は、『比較文化のすすめ―日本のアイデンティティを探る必読55冊』(成文堂,2012)等の手引書をお勧めする。 この記事の読者には、比較文化を学び実践したいがそのきっかけがつかめず悩んでいるという人が多いのではないだろうか。そこで、本記事では、...
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