今回は「超初心者向けのドイツ語発音」について、以下の流れでお話します。
①導入
ドイツ語を始めたいという人は多いと思いますが、初学者の誰もが「私にもドイツ語の発音ができるのだろうか」という悩みがあると思います。結論から言うと、ドイツ語の発音は英語の発音よりかなり簡単です。
ドイツ語の超初級の発音については、以下のYoutube動画で詳細に解説していますので、ご覧ください。
②ドイツ語発音のポイント
ドイツ語の母音については、この動画での発音の実践をすれば、ドイツ語学習の入口に立つことができます。
ドイツ語発音について少しだけかいつまんで説明すると、ポイントは、ドイツ語の母音が日本語の「ア・イ・ウ・エ・オ」とほぼ同じだということでです。これをハキハキ発音すれば、それがそのままドイツ語の母音(a, i, u, e, o)になります。
③ブログ著者について
私は現在に至るまで、7つの大学で10年以上初級・中級ドイツ語の文法・読解や口語コミュニケーションの授業を担当した経験があり、ほぼ毎年ドイツ語検定試験合格者(主に3〜5級)を輩出しています。
④ドイツ語は難しい?
この記事を読んだ人は、「そうはいってもドイツ語は難しいんじゃないの?」と疑問に思うかもしれません。しかし、実はドイツ語文法は、英語より規則的で、発音についてはローマ字読みが多いので、慣れると簡単です(詳細は上記の動画で解説しています)。実際、ヨーロッパではドイツ語を話す人口が第2位、世界では第9位です。ドイツ語の動詞の語尾変化は英語よりも規則的(原形は2種類のみ)で、フランス語よりも時制に基づく語尾変化が少ないので、ドイツ語初級文法は意外に学びやすいです。
⑤ドイツ語を習得して得すること
ドイツ語が分かると得するドイツ語が分かると、英語の仕組みがよく分かるようになります。
例えば、イギリスの国歌に次のようなものがあります。
この動詞のsaveには3人称単数現在の語尾-sがありません(本来なら "God saves the Queen." のはず)。何故でしょうか?
これはドイツ語に訳すとすぐに解決します。ドイツ語だとこうなります。
ドイツ語の動詞schützeの語尾に着くはずの3人称単数現在の-tがありません(本来なら "Gott schützt die Königin."となる)。理由は、このschützeは「接続法I式」という動詞の語尾変化をしており、「要求話法」の意味を表現しているからです。つまり、この文の意味は「神よ、女王を守りたまえ」となり、目上の存在に対する命令が動詞の変化に反映されているというわけです。その名残が "God save the Queen."のsaveの語尾変化に反映されていると言えます。
しかも、ドイツ語が分かると、カント、ヘーゲル、マルクス、ニーチェ、ハイデガーなどのドイツ哲学の世界に深く正しく浸ることができます。ドイツ語原文で哲学を読むと、確実に世界の見通しが良くなります。
⑥おわりに
以上のように、ドイツ語の発音は英語の発音よりかなり簡単で、ドイツ語文法も規則的で学びやすく、ドイツ語を学ぶと教養の面で得することも多いです。ぜひ試してみてください。
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